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「都会には帰りたくないな…」
冬山ゲレンデのあるリゾートホテルで、レストランスタッフとして働いていたものの、ふと30歳手前の頃に思った園主は考えました。
これまでに北海道~関西を行ったり来たりした放蕩人生を振り返りながら。 -
そして、ふと「これからは何かを生み出す仕事がしたい」という発想に至ります。
しかも地場産業に就けば、自然環境の中で生活しつつ、都会の満員電車や人混みなどともさよならできる。そして雪山でスノーボードも出来る!最高じゃないかと。。(笑) -
美味しいフルーツは東京や大阪では滅多に食べられません。
特にりんごはマズイ!
都会人の感覚だとりんごは薬、お母さんが剥いてくれるもの。自分からわざわざ買うほどのものではない。でも、長野県のりんごは美味い。びっくりするぐらい美味い。蜜が入っている、どうこうではなく、全くの別物です。なんで?と思うほど。
その辺りのお話はブログに譲るとして、美味しいフルーツを都会に持っていって売れば皆が喜んでくれるという確信がありました。実際に都会に売りに行けば常に行列や人だかりが当たり前。面白いように売れる。そして喜ばれる。 -
しかし転機は突然にやってきました。
ある冬のシーズン、雪山で滑っていた私は木に激突して2回の手術をする大怪我を負いました。のべ2ヶ月の入院と4ヶ月の松葉杖生活…。病院生活は身体を壊した人や病気で苦しむ人達との共同生活です。食べたいものも食べられない人、体の弱い人、そんな人達に囲まれながら過ごしているうちに何かが変わっていきました。 -
たった今、苦しんでいる人たち、困っている人たちに美味しいと思ってもらえる果物やお菓子を提供できないだろうか…。自分の新たな目的が芽生えたのでした。(もちろん、単純に美味しいものを作り続けるのも大切なことです!)
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そして生まれたのが無添加焼きりんごチップスや、体に悪いものを一切使わないジャムシリーズです。果樹の栽培も農薬を減らす工夫をしたり、高品質な酵素を扱う会社さんとの出会いで短い間に大きく進歩しました。
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そしてその間には、軽井沢星野リゾート様主催のスイーツ博選出、ニッポン全国物産展への出場など、いろいろなことが起きました。
これからも、絶えず努力を惜しまずに皆様に喜んでいただけるように、心を尽くして農業を行っていきたいと思います。 -
profile
小布施スノーボード農家 岩本 敦(園主)
成蹊大学経済学部卒業。新卒で北海道に渡り、サラブレッドの牧場に務める。が、粉塵アレルギーなどで断念。
その後、住み込みで働けるリゾートホテルに入社。スノーボードを始める。
そのまま、春~秋は都会で生活、冬は雪山で仕事。次第に地方住まいの快適さに惹かれ、完全に移住。